先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「みんな課長達が帰って来るの待ってたんですね」

「そうね!」

嬉しそうににっこり笑って遠巻きに見ているのがいじらしくて花笑さんの腕を引いてみんなの所へ向かった。

「課長!置田くん!お帰りなさい!」

「おう!夏野、ただいま!」

行くときは顔面蒼白だった置田くんも元気そうに笑ってる。

「お、お帰りなさい、山片課長…」

花笑さんも遠慮がちに課長に近づいた。

「ああ、松崎も夏野も昨日協力してくれたんだってな、ありがとう」

と言ってニッと笑った。お、鬼課長が笑ってる!

「いいえ、大したことは。無事に帰って来て良かったです」

めったに笑わない課長と嬉しそうにちょっと頬をピンクにして笑う花笑さん。
二人の甘い雰囲気に周りのみんなは固まっていた。

「おい、課長と松崎さんなんか雰囲気いつもと違くね?」

置田くんがこそっと私に言ってくる。
私は昨日話を聞いてたからなんとなく納得したけどみんなは急に雰囲気が変わって戸惑ってるみたい。

「ふふ、そうね~」と濁しておいた。

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