セナカアワセ
「那美香に告白されて、由果のこと話して。由果は女の子らしくて可愛いけど、那美香は運動ばっかりで体育会系で、そういうのってちょっと重いって、、、っ!!!」




先生に言われたからじゃない。




もう我慢出来なかった。



私は立ち上がって、最後まで言い終わった遙人君のほっぺたを思いっきり叩いた。



周りにいたカップルも私達の空気感がやばいと思ったのか逃げていく。



遙人君はほっぺたを抑えることも無く下を向いて俯いている。



「、、、、、、よくそんなこと言えたね。」




私の口から出た言葉は自分でも聞いたことのないくらい低い声だった。



「遙人君って、、、那美香のこと好きなんじゃないの?まずそこがわからない。急に由果とかって自分のこと傷つけた奴なんかと付き合って。しかも何!?なんで由果とかっていう女のいい所を振ったばっかりの那美香に言うのっ!?」



私の怒号を聞いても動かないまま。



そんな姿がますますムカついて、両手で肩を掴んだ。



「下向いてないでこっち向けよっ!!お前なんて人間以下だっ!!人の心もわからないやつ、私はそんな奴を那美香とくっつけさせようとしてたなんて!!ふざけんなっ!せっかく立ち上がってきた那美香をまた傷つけるなんて、私が死んでも許さないっ!!」




「、、、、、、、、、また?」




やっと口を開いた遙人君は無表情のまま言った。



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