【完】さつきあめ
いつかのレイの言葉を思い出していた。
光は鳥かごにいるみたいだって。
それでもなおも、朝日が光にそこまで執着する理由はわたしにはわからなかった。
「あたしは光もさくらもあの人の感情の中に巻き込まれて欲しくない。
もしもそれでも光と一緒にいたいっていうのなら、あなたは七色グループをやめなさい」
辞める…。
光と一緒にいたいなら。
感情的になって、一度、光に言ってしまった事がある。
光と一緒にいれるなら、七色グループも辞める、と。
けれど…わたしは…。
「……」
「辞めれないでしょ?」
見透かしたように、綾乃が言った。
「さくらみたいな子、辞めれるならすぐに辞めてると思う。
あたしが昔みたいに頑張ってナンバー1になって、あなたに圧倒的な差をつければ、あなたは辞めると思った…
でもあなたは辞めなかったし、あたしと戦って、自分の力でナンバー1になった…。
あなたみたいな子がそうまでしてこのグループに拘り続けるのは光だけの為じゃない。自分の中にこのグループではいけない何かがあるからなんでしょ?」
綾乃の言葉はまるで全て見透かしたよう。
それが全部当たっていて、なおさら胸が痛かった。
光のためだけではない。ここにいる意味を、改めて自分に問う。
光は鳥かごにいるみたいだって。
それでもなおも、朝日が光にそこまで執着する理由はわたしにはわからなかった。
「あたしは光もさくらもあの人の感情の中に巻き込まれて欲しくない。
もしもそれでも光と一緒にいたいっていうのなら、あなたは七色グループをやめなさい」
辞める…。
光と一緒にいたいなら。
感情的になって、一度、光に言ってしまった事がある。
光と一緒にいれるなら、七色グループも辞める、と。
けれど…わたしは…。
「……」
「辞めれないでしょ?」
見透かしたように、綾乃が言った。
「さくらみたいな子、辞めれるならすぐに辞めてると思う。
あたしが昔みたいに頑張ってナンバー1になって、あなたに圧倒的な差をつければ、あなたは辞めると思った…
でもあなたは辞めなかったし、あたしと戦って、自分の力でナンバー1になった…。
あなたみたいな子がそうまでしてこのグループに拘り続けるのは光だけの為じゃない。自分の中にこのグループではいけない何かがあるからなんでしょ?」
綾乃の言葉はまるで全て見透かしたよう。
それが全部当たっていて、なおさら胸が痛かった。
光のためだけではない。ここにいる意味を、改めて自分に問う。