何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
悠は、私のために。私を長い間、深く眠る自分の隣で1人にさせないために。

私から離れようとしたんだ。

ーーでもそれは。それは違うよ。ーー悠。

そんなの、ますます離れるわけにはいかない。もっもっと、悠のそばに居たくなってしまった。

もう絶対に、離れてやらない。悠を1人にしない。


「早く悠のとこに戻って。ーーあいつにはあなたしかいない。悔しいけどね」


美香ちゃんは、挑戦的な視線を私に浴びせた。嘘をついてまで、悠のそばにいようとしていた彼女。


「私は悠が事故に遭う前から、ひなげし病のことを知っていたの。私はそれでもずっと悠のそばにいようと決意した。ぽっと出のあなたなんか、病気のことを知ればすぐ逃げていくと思った。ーーだから」

「悠を傷つけたくなくて、私を追い出して彼女になろうとしたんだね」


美香ちゃんはこくりと頷いた。

以前に、悠のお母さんが言っていたことを思い出した。そう、あれは美香ちゃんが悠の彼女だと言い張り、私の立場が危うかった時。

ーーだから、美香も悠が悲しむようなことはしないと思うのよ。

嘘をついた美香ちゃんの人間性は今まで疑問に思っていたけれど、悠のお母さんの言う通りだった。
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