【バレンタイン短編】同期から贈られたおまじないは、キス。
“ここまで面倒見いいのは史穂にだけだよ”
いま思い返せばそう思えないこともない。先月のプレゼン担当は由佳だった。仕事のできる由佳はそもそも柳田くんの手助けなんて必要ない。先週の顧客を招いての昼食会も私がもたもたしていると柳田くんがお洒落な中華の店を探してきてくれて、手配もしてくれた。
それは柳田くんが私を特別に思っているから?
ううん。そんなはずはない。
幼なじみだからだ。中学生の頃からの長いつきあいで、そのよしみで手伝ってくれている。
デキない私を不憫に思ってのことだ。特別な意味なんて……ない。
柳田くんが私を……ありえない。
じゃあ私は柳田くんをどう思ってる?
充電の切れてしまったパソコンのプラグをコンセントに差し込む。手元が狂って差すまでに1分もかかってしまった。何を動揺してるの? 柳田くんはただの幼なじみだ。早くしないと柳田くんが来ちゃう。ちゃんと準備できてなかったら、また睨まれてしまう。USBにメモリスティックを差そうとする。でもはまらない。差し込み口を間違えたかと側面をのぞくけど、場所はあっている。
カチャカチャ。もたもたしているとメモリスティックを握った私の手に大きな手が重ねられた。
いま思い返せばそう思えないこともない。先月のプレゼン担当は由佳だった。仕事のできる由佳はそもそも柳田くんの手助けなんて必要ない。先週の顧客を招いての昼食会も私がもたもたしていると柳田くんがお洒落な中華の店を探してきてくれて、手配もしてくれた。
それは柳田くんが私を特別に思っているから?
ううん。そんなはずはない。
幼なじみだからだ。中学生の頃からの長いつきあいで、そのよしみで手伝ってくれている。
デキない私を不憫に思ってのことだ。特別な意味なんて……ない。
柳田くんが私を……ありえない。
じゃあ私は柳田くんをどう思ってる?
充電の切れてしまったパソコンのプラグをコンセントに差し込む。手元が狂って差すまでに1分もかかってしまった。何を動揺してるの? 柳田くんはただの幼なじみだ。早くしないと柳田くんが来ちゃう。ちゃんと準備できてなかったら、また睨まれてしまう。USBにメモリスティックを差そうとする。でもはまらない。差し込み口を間違えたかと側面をのぞくけど、場所はあっている。
カチャカチャ。もたもたしているとメモリスティックを握った私の手に大きな手が重ねられた。