純真~こじらせ初恋の攻略法~
綺麗事に聞こえるかもしれない。

私も始めは湯川さんを会社から追放してもらう事も考えた。

しかし悲劇のヒロインを気取って、王子様に守られるのは違う。

自分のことは自分で解決する。

それができるまでに、私は人として成長できているつもりだ。

今なら心から冷静に見極めて判断することも大切だと言える。

「本当にそれでいいのか?何も望まないということがどういうことなのか、本当にわかってる?この先も湯川と顔を突き合わせて仕事をしていくことになるんだぞ?」

「わかってる。確かに不快だし湯川さんのことは大嫌いだけど、身体を傷付けられたわけでも汚されたわけでもないわ。だから大丈夫よ」

藤瀬くんは納得できないというように顔をしかめているけれど、私はにこりと笑ってみせた。

恐怖はあるし拒否反応出てるし嫌悪感しかないし。

今はこんなこと言ってても、湯川さんを目の前にすると抹殺したくなるかもしれない。

でも藤瀬くんがこうやって抱きしめてくれたから。

ただのアシスタントとしてでも同僚としてでも同級生としてでもなんでも。

どんな形であったとしても。

これからも藤瀬くんの側にいられるなら、私はそれだけでいい。

藤瀬くんのおかげで、湯川さんのエクステリアプランナーとしてのキャリアや未来を奪おうとまでは思えなくなった。

藤瀬くんが私の心を満たしてくれたおかげなのだ。
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