純真~こじらせ初恋の攻略法~
覚悟を決めて来たはずなのに、実際に真実と対面するとなると急に怖くなる。

けれど隣に感じる体温が、私をほんの少しだけ安心させてくれる。

「昔から……」

5人のうちの一人が、重い口を開いた。

「由加里は昔からイケメンやお金持ち、それだけならまだしも、人のモノが大好きな子だった」

「藤瀬くんのことを気にし始めたのは、中三の夏休み明けから。夏休み中にお金持ちの高校生の彼氏と別れた後からよ」

私は膝の上でギュッと握り拳を作った。

あの頃までは私も藤瀬くんも楽しい日々を送っていた。

あの後一変した理由を、いくら私とぎこちなくなってしまったからって、由加里を選んだ理由を。

私もずっと知りたかったんだ。

「藤瀬くんは顔もいいし、頭もよかったし、男女問わずに優しかったし、うちの学校でも人気があったから、すぐに由加里は目を付けた」

「でも藤瀬が橘にめちゃめちゃ惚れてることは皆知ってたから、やめとけって言ったんだ」

「それでも由加里は諦めることはしなかった」

それはそうだろうな。

そんなに簡単に諦めるほど、由加里は甘くないから。

「回りくどい。もっと簡潔に纏めて話せ」

このままでは由加里の心情から何から、事細かに全て順を追って話されそうで。

埒が明かないと思っていたので、田原くんの面倒くさそうな一言は有難かった。

「二人の間は大きく壊れてしまったみたいだけど、実際に由加里がしたことをは2つだけよ」

田原くんの言葉に不機嫌になったのか、やけに突っかかる言い方だが。

たった2つで私達は壊れてしまったの?


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