純真~こじらせ初恋の攻略法~
再びタクシーで移動する事20分弱といったところだろうか。
私と藤瀬くんが降り立ったのは、会社を挟んで私の自宅とは正反対の場所にあるマンションだった。
どうりで今日も一緒には行けず、待ち合わせという手段を取ったはずだ。
駅3つ分なのでそんなに遠いという印象はないが、やはり正反対という言葉が距離を感じさせた。
自然に手を繋ぎエレベーターで4階に上がり、ドアを二つ通り越して3つ目のドアを鍵で開ける。
真っ暗な玄関は、私の自我を呼び起こされそうで怖くなった。
踏み込めなくなってしまった私を、藤瀬くんはそっと肩を抱いて招き入れてくれる。
ここは完全なる藤瀬くんのテリトリー。
私はもう逃げ出せなくなったということだ。
もちろん進みたくてここに来たわけなのだから、逃げ出すつもりなんてないのだけれど。
少し尻込みしていた心も、靴を脱いでリビングに足を踏み入れた途端に綺麗さっぱり消え去った。
グレーを基調としたリビングには、二人用の小さなダイニングテーブル、グレーのラグマットにはローソファーにテーブル、少し大きめのテレビ。
生活するのに必要なものだけ置いてある、殺風景ともいえる空間だが、不思議と冷たい感じはしなかった。
「茉莉香に見せたいものがあるんだ。座って待ってて」
藤瀬くんはそう言って私をソファーに誘導し座らせると、自分はリビングを出て別室へと消えていった。
置いて行かれてどうしていいかわからなくなるこの気持ち……。
帰りたくなってくるから、早く戻ってきて欲しい……。
私と藤瀬くんが降り立ったのは、会社を挟んで私の自宅とは正反対の場所にあるマンションだった。
どうりで今日も一緒には行けず、待ち合わせという手段を取ったはずだ。
駅3つ分なのでそんなに遠いという印象はないが、やはり正反対という言葉が距離を感じさせた。
自然に手を繋ぎエレベーターで4階に上がり、ドアを二つ通り越して3つ目のドアを鍵で開ける。
真っ暗な玄関は、私の自我を呼び起こされそうで怖くなった。
踏み込めなくなってしまった私を、藤瀬くんはそっと肩を抱いて招き入れてくれる。
ここは完全なる藤瀬くんのテリトリー。
私はもう逃げ出せなくなったということだ。
もちろん進みたくてここに来たわけなのだから、逃げ出すつもりなんてないのだけれど。
少し尻込みしていた心も、靴を脱いでリビングに足を踏み入れた途端に綺麗さっぱり消え去った。
グレーを基調としたリビングには、二人用の小さなダイニングテーブル、グレーのラグマットにはローソファーにテーブル、少し大きめのテレビ。
生活するのに必要なものだけ置いてある、殺風景ともいえる空間だが、不思議と冷たい感じはしなかった。
「茉莉香に見せたいものがあるんだ。座って待ってて」
藤瀬くんはそう言って私をソファーに誘導し座らせると、自分はリビングを出て別室へと消えていった。
置いて行かれてどうしていいかわからなくなるこの気持ち……。
帰りたくなってくるから、早く戻ってきて欲しい……。