絶対領域



まじですかい。

こんなことってある?


どんだけ私、集中してたの!




「多数決に参加しなかった奴、早く名乗り出ろよ!」



男の子のほうの学級委員が、若干イラつきながら尋ねた。


その雰囲気がクラス全体に伝染して、お祭り空気が台無しになる。



あー、この空気の中、名乗り出たくないなー。

でも、いつまでもスルーするわけにもいかないしなー。



よしっ、潔く言おう。言ってしまおう。


早く暴露したほうが身のためだ。




「……は、はい」


ざわつくクラスメイトを横目に、恐る恐る右手を挙げた。



犯人は、私です。




「や、矢浦さん、だったんだ……」



学級委員の男の子の態度が、急におとなしくなった。


教室が、しん、と静まり返る。



ちゃんと自首したのに、なんで余計に気まずくなるの!?




< 131 / 627 >

この作品をシェア

pagetop