絶対領域
まじですかい。
こんなことってある?
どんだけ私、集中してたの!
「多数決に参加しなかった奴、早く名乗り出ろよ!」
男の子のほうの学級委員が、若干イラつきながら尋ねた。
その雰囲気がクラス全体に伝染して、お祭り空気が台無しになる。
あー、この空気の中、名乗り出たくないなー。
でも、いつまでもスルーするわけにもいかないしなー。
よしっ、潔く言おう。言ってしまおう。
早く暴露したほうが身のためだ。
「……は、はい」
ざわつくクラスメイトを横目に、恐る恐る右手を挙げた。
犯人は、私です。
「や、矢浦さん、だったんだ……」
学級委員の男の子の態度が、急におとなしくなった。
教室が、しん、と静まり返る。
ちゃんと自首したのに、なんで余計に気まずくなるの!?