絶対領域



私、何かした!?

いや、確かに、多数決に参加しなかったけど、それはわざとじゃなくて……!



……って、そうだ。


1歳年上の私は、腫れ物に触るような扱いをされてたんだった。



いつになったら、私が留年してることを関係なく、仲良くしてくれるんだろう。

道のりは長い。とほほ。



「や、矢浦さんは、どれがやりたい……ですか?」



ほら、女の子のほうの学級委員も、敬語が抜けてない。


こっちは全然タメ口でいいのにな。




まあいいや。

……これっぽっちもよくはないけど。


それより、文化祭の出し物決めを優先しなきゃ。



改めて黒板を見て、賛成人数を確認する。


ふむふむ。

劇とカフェに、同じ数の票が入ってるのか。



……え、それって、つまり、私が「カフェがしたい」って言っちゃったら、それに決まっちゃうの?


責任重大じゃない!?




< 132 / 627 >

この作品をシェア

pagetop