絶対領域
私、何かした!?
いや、確かに、多数決に参加しなかったけど、それはわざとじゃなくて……!
……って、そうだ。
1歳年上の私は、腫れ物に触るような扱いをされてたんだった。
いつになったら、私が留年してることを関係なく、仲良くしてくれるんだろう。
道のりは長い。とほほ。
「や、矢浦さんは、どれがやりたい……ですか?」
ほら、女の子のほうの学級委員も、敬語が抜けてない。
こっちは全然タメ口でいいのにな。
まあいいや。
……これっぽっちもよくはないけど。
それより、文化祭の出し物決めを優先しなきゃ。
改めて黒板を見て、賛成人数を確認する。
ふむふむ。
劇とカフェに、同じ数の票が入ってるのか。
……え、それって、つまり、私が「カフェがしたい」って言っちゃったら、それに決まっちゃうの?
責任重大じゃない!?