絶対領域
あず兄は何も言わずに、イヤーカフをいじっている。
……それ、肯定、でしょ?
何年幼なじみやってると思ってるの。
察しちゃうよ。
「新人いびりにまた巻き込まれないように、動いてくれてるんだよね」
皆に迷惑をかけてばかりで、私はなんにも返せていない。
頼りきりで情けないな。
でも、ここで「ごめん」って言ったら、あず兄にもう一回お説教されちゃうから。
「ありがと」
代わりに、この気持ちを送る。
それでもあず兄は黙ったまま。
その沈黙が、なぜか、心地よかった。
夕日に反射して、黄金の髪がきらりと輝いた。