絶対領域
すると、ゆーちゃんがお店から出てきた。
鼻歌混じりのスキップで。
「えへへぇ、可愛いピアス見つけちゃった~」
早速身につけてきたらしく、耳たぶを見せびらかす。
小さくて透明な宝石のついた華奢なピアスが、ゆらゆら揺れていた。
「わ、ほんとだ、可愛い!」
「でしょぉ?」
「可愛いか?」
「アズはセンスないんだねー」
「はあ!?」
見事に正反対の感想だった。
言い返そうとしたあず兄からダッシュで逃げたゆーちゃんは、そのままあるお店に入っていった。
「まだ買い物すんのかよ……」
「まあまあ。今日はゆーちゃんデーってことで、ね?」
「萌奈がそう言うんなら、しゃーねぇか」
上目遣いで慰めれば、疲れ切っているあず兄は渋々ゆーちゃんの向かった先へ進んだ。