あやかし神社へようお参りです。


 三門さんはとても暖かい人で、妖からもたくさん慕われているみたいで、その優しさに私も救われた。

 遠縁の私ですら気にかけて、手を差し伸ばしてくれるような三門さんなのに、どうして断ったのか。信じられなかった。


 「あのね麻ちゃん。僕が葵の願いを聞いてあげられないのは、自然の断りに反するからだよ」


 三門さんは鍋の火を緩めて、私の方へ向き直った。


 『自然の断りに反する。』


 自分の中で繰り返す。


 「人は人、妖は妖。それぞれがその種別で生きていくという天命を、神様から賜って生きているんだ。その天命から外れたものになってしまえば、そのものはそのものでなくなってしまう」


 眉間に皺を寄せれば、三門さんが小さく微笑む。

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