あやかし神社へようお参りです。


 そっと掌を開けると、家鳴が大きな目を瞬かせてきょとんと私を見上げた。


 「どうしてあんなところに居たの? びっくりしたよ、お父さんに潰されるところだった」


 そう言いながら家鳴を机の上に下ろす。するとペン立ての裏や引き出しの隙間から次々とほかの家鳴たちが顔を出した。わらわらと集まり始めた家鳴によって机の上が覆いつくされる。

 各々に私へ何かを訴えるように鳴いている。


 「待って、待って! ひとりずつじゃないと分からないよ」


 それじゃあ僕がと言わんばかりに、家鳴たちは同じタイミングで胸を叩いて一歩前に出る。すると今度はいたる所で衝突事故が起きたのか、取っ組み合いの喧嘩が始まる。


 「えっ、あ、こら!」


 一匹ずつ引き離していくもきりがなく、どうしたものかと頭を抱える。


 「しかたない、三門さん呼んでこよう……」


 その瞬間、家鳴たちの動きがピタリと止まった。すぐさまその場にお行儀よく座り、代表した一匹が私の掌に登ってくる。


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