あやかし神社へようお参りです。


 そう言えば以前、妖狐の子供たちが三門さんに叱られそうになって、すんなりと言うことを聞いていたのを思い出した。

 どれほど恐れられているんだろう、と苦笑いを浮かべる。


 掌に登った家鳴は身振り手振りで必死に何かを私に訴えてくる。

 私を指さし、握りしめた手を横に揺らす。今度は自分たちを指さし、両手で丸を作ってそれを覗く、そしてまた握りこぶしを横に振った。


 「私が手を振る……?」


 ちがう、と言いたげに大きく首を振った家鳴。きょろきょろと当たりを見回したかと思うと、手のひらから飛び降りて机の上を横切った。

 机の上に置かれたままになっている硯の上に飛び乗った。そしてまた同じジェスチャーを繰り返す。


 「硯……私が書く?」


 家鳴たちがうんうんと頷いた。
 そんな感じで三十分ほどジェスチャーの意味を解いて、やっと彼らが何を言おうとしているのかが分かった。


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