平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「日本と似ているわ」
「二ホン?」
「はい!」

 桜子は嬉しくなったが、ひとりの老婆がいることに気づく。

「あの人は……?」

 桜子の祖母くらいの年齢の女性だ。

「あなたの身体を洗う洗婆(せんばあ)に頼んだわ。貴族の家庭にひとりはいて、身体を洗ってくれるの」
「ひ、ひとりで大丈夫です!」

 人に身体を洗ってもらったことなどない桜子は、首を左右に振る。

「裸が恥ずかしいの? 私たちは自分の身体に自信を持っているから平気よ。あなたって変わっているのね」
「変わってなんて……」

 お国柄があるのだろう。人前で服を着ない部族をテレビで見たことがあり、桜子はなにも言えなくなった。

「あ、でも、洗婆は目が見えないから恥ずかしがらなくていいわ。じゃあ、着替えは用意しておくから」

 エルマは少しバカにしたような笑みを浮かべて出ていった。

 洗婆とふたりだけになってしまった桜子は服を脱いだ。洗婆は洗うための椅子の横に立っている。

 裸になった桜子は洗婆に近づく。

「あの、おばあさん。ひとりで洗えるので、ここに座っていてください」

 桜子は洗婆の手に触れて、椅子に座らせようとした。


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