平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「サクラ、読めるか?」
ディオンは、本を桜子に見せる。藍色の表紙に金文字が書かれた美しい本だった。
しかし、流麗に繋がる文字に、桜子は首を左右に振る。
「読めません……」
「そうか……不思議なこともあるんだな。しかし、話す言葉がわかるのは幸いだ。ここにいる間は暇だろう。文字はカリスタに教わるように」
「はい。ありがとうございます」
やることがあるのはいいことだと、桜子は笑みを浮かべた。なにもしないでいたら情緒不安定になりそうだ。
「ディオンさま、私に出来ることがあれば言ってください」
いわば桜子は居候の身。お手伝いが出来ればと口にした。そうすると、ディオンの美しい顔が顰められる。
「サクラ、そのようなことは考えなくていい。私はそなたが気に入った。気兼ねなくここに滞在しろ。なんといっても、私の乳母であったカリスタがそなたの味方なんだ」
「おばあさんが、ディオンさまの乳母……」
「ああ。この宮殿ではカリスタに逆らえる者は誰もいない」
そう言って、ディオンは茶目っ気たっぷりに微笑んだ。
ディオンは、本を桜子に見せる。藍色の表紙に金文字が書かれた美しい本だった。
しかし、流麗に繋がる文字に、桜子は首を左右に振る。
「読めません……」
「そうか……不思議なこともあるんだな。しかし、話す言葉がわかるのは幸いだ。ここにいる間は暇だろう。文字はカリスタに教わるように」
「はい。ありがとうございます」
やることがあるのはいいことだと、桜子は笑みを浮かべた。なにもしないでいたら情緒不安定になりそうだ。
「ディオンさま、私に出来ることがあれば言ってください」
いわば桜子は居候の身。お手伝いが出来ればと口にした。そうすると、ディオンの美しい顔が顰められる。
「サクラ、そのようなことは考えなくていい。私はそなたが気に入った。気兼ねなくここに滞在しろ。なんといっても、私の乳母であったカリスタがそなたの味方なんだ」
「おばあさんが、ディオンさまの乳母……」
「ああ。この宮殿ではカリスタに逆らえる者は誰もいない」
そう言って、ディオンは茶目っ気たっぷりに微笑んだ。