平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
『ゆっくり休養を』と告げたディオンが去ってしまうと、眠くない桜子はもう一度寝ることも出来ず、窓辺に近づく。
風通しをよくするために窓は開いている。そこから規則正しく並んでいる南国のような樹が見える。
(遠くに来ちゃったんだな……)
ダッフルコートを着用していた冬から、じっとしていても汗が出てくる暑い国へ。
空が薄暗くなってきている。それは夕方だからではなく、向こうの空に黒い雲が広がっていた。
「あそこで雨が降っているのかな」
ひとりごちたとき、カリスタが入ってきた。
「起きていたんだね」
カリスタは窓辺に立っている桜子に近づく。
「雷雨がもうすぐやってくるから、窓を閉めに来たんだよ」
「ら、雷雨ですか……?」
桜子が一番嫌いなのは雷だった。あの音が怖い。
「ああ。雷雨を知らない?」
「いいえ、光ってすごい音の雷ですよね?」
「そうだよ。お前さんの国にもあるんだね。じゃあ、夕食はエルマに頼んであるから」
カリスタは忙しそうに行ってしまい、雷が怖いと言いはぐってしまった。
扉が閉まり、桜子は窓から離れた寝台に座った。
(どうか、こちらに雷雲が来ませんように)
心の中で祈ったとき、エルマが食事を運んできた。正確にはエルマの後ろの女官が盆を持っている。
風通しをよくするために窓は開いている。そこから規則正しく並んでいる南国のような樹が見える。
(遠くに来ちゃったんだな……)
ダッフルコートを着用していた冬から、じっとしていても汗が出てくる暑い国へ。
空が薄暗くなってきている。それは夕方だからではなく、向こうの空に黒い雲が広がっていた。
「あそこで雨が降っているのかな」
ひとりごちたとき、カリスタが入ってきた。
「起きていたんだね」
カリスタは窓辺に立っている桜子に近づく。
「雷雨がもうすぐやってくるから、窓を閉めに来たんだよ」
「ら、雷雨ですか……?」
桜子が一番嫌いなのは雷だった。あの音が怖い。
「ああ。雷雨を知らない?」
「いいえ、光ってすごい音の雷ですよね?」
「そうだよ。お前さんの国にもあるんだね。じゃあ、夕食はエルマに頼んであるから」
カリスタは忙しそうに行ってしまい、雷が怖いと言いはぐってしまった。
扉が閉まり、桜子は窓から離れた寝台に座った。
(どうか、こちらに雷雲が来ませんように)
心の中で祈ったとき、エルマが食事を運んできた。正確にはエルマの後ろの女官が盆を持っている。