平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
やることがない毎日。桜子はエルマや女官に迷惑をかけないよう心がけていた。
料理場まで食事を取りに行きたいとエルマに伝えたが、余計に世話がかかるので部屋で待っていてほしいと言われてしまった。
まだエルマとの関係はぎこちない。
勉強にと、カリスタは簡単なベルタッジア語の絵本を五冊持ってきてくれて、ほとんどの時間を読書にあてていた。
でも、じっとしているのは性に合わない。ときどきひとりで部屋の近くを散歩していた。
そして今日も、ディオンが奏でる曲が勉強中の桜子の耳に届く。
(いつも弾いているけれど、皇子さまって暇なの……?)
「――ラ、サクラ?」
そんな考え事をしている桜子の耳に、カリスタの声が聞こえ、ハッとなる。
「は、はい!」
今は勉強中だった。
「ぼんやりして、どうしたんだい?」
「え……っと、カリスタ。ディオンさまは一日の大半、楽器を弾いているようなんですけど、皇子さまってお仕事がないのですか?」
桜子がここへ来てニ週間、ようやく疑問を口にした。
「ディオンさまは音楽の才能がおありなので。政務は孫の担当さ」
音楽の才能があるからといって、そればかりなのは違和感がある。桜子は疑問に思ったが、口には出さなかった。
料理場まで食事を取りに行きたいとエルマに伝えたが、余計に世話がかかるので部屋で待っていてほしいと言われてしまった。
まだエルマとの関係はぎこちない。
勉強にと、カリスタは簡単なベルタッジア語の絵本を五冊持ってきてくれて、ほとんどの時間を読書にあてていた。
でも、じっとしているのは性に合わない。ときどきひとりで部屋の近くを散歩していた。
そして今日も、ディオンが奏でる曲が勉強中の桜子の耳に届く。
(いつも弾いているけれど、皇子さまって暇なの……?)
「――ラ、サクラ?」
そんな考え事をしている桜子の耳に、カリスタの声が聞こえ、ハッとなる。
「は、はい!」
今は勉強中だった。
「ぼんやりして、どうしたんだい?」
「え……っと、カリスタ。ディオンさまは一日の大半、楽器を弾いているようなんですけど、皇子さまってお仕事がないのですか?」
桜子がここへ来てニ週間、ようやく疑問を口にした。
「ディオンさまは音楽の才能がおありなので。政務は孫の担当さ」
音楽の才能があるからといって、そればかりなのは違和感がある。桜子は疑問に思ったが、口には出さなかった。