平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「ラウリ、ニコ。すぐに犯人を探し出せ!」
毒しか情報がないが、この部屋に入った者から順に当たっていくように指示を出され、ふたりは出ていった。
エルマがディオンの前に進み出て、両手を胸のところで交差させ、膝を折る。
「殿下、私はやっていません!」
「そなたやカリスタだとしたら、一番疑われるこの部屋で行わないだろう」
カリスタはまだ顔色が戻らない桜子の額を、冷たい布で拭いている。毒のせいで熱が出始めていた。
「目覚めたら柔らかい食事を食べさせろ」
「ん……」
そのとき、桜子が顔を歪めてから目を開けた。
「サクラ! よかった! どこか痛むところはないかい?」
カリスタの声で、少し離れたところでエルマと話をしていたディオンは寝台に近づく。
「サクラ」
目を開けた桜子はハッとなり、身体を起こそうとした。桜子の身体をディオンが支える。
「まだ起き上がれない。寝ているんだ」
「……私……どうしちゃったの……ですか……」
カリスタは心配そうに桜子を見ているし、部屋の中はディオンやイアニス、エルマや医師と、人口密度がいつになく高い。
ディオンの代わりにカリスタが口を開く。
「水差しに入っていた水を飲んだせいだ」
「水……」
桜子は倒れる前に飲んだ水のことを思い出した。飲んだ途端に気分が悪くなったのだ。
毒しか情報がないが、この部屋に入った者から順に当たっていくように指示を出され、ふたりは出ていった。
エルマがディオンの前に進み出て、両手を胸のところで交差させ、膝を折る。
「殿下、私はやっていません!」
「そなたやカリスタだとしたら、一番疑われるこの部屋で行わないだろう」
カリスタはまだ顔色が戻らない桜子の額を、冷たい布で拭いている。毒のせいで熱が出始めていた。
「目覚めたら柔らかい食事を食べさせろ」
「ん……」
そのとき、桜子が顔を歪めてから目を開けた。
「サクラ! よかった! どこか痛むところはないかい?」
カリスタの声で、少し離れたところでエルマと話をしていたディオンは寝台に近づく。
「サクラ」
目を開けた桜子はハッとなり、身体を起こそうとした。桜子の身体をディオンが支える。
「まだ起き上がれない。寝ているんだ」
「……私……どうしちゃったの……ですか……」
カリスタは心配そうに桜子を見ているし、部屋の中はディオンやイアニス、エルマや医師と、人口密度がいつになく高い。
ディオンの代わりにカリスタが口を開く。
「水差しに入っていた水を飲んだせいだ」
「水……」
桜子は倒れる前に飲んだ水のことを思い出した。飲んだ途端に気分が悪くなったのだ。