平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「見たことのない顔立ちの娘だが、美人だな」

 もうひとりの男が桜子を見て、今にも舌なめずりしそうだ。

(私を美人って……夢だから、勝手にいいように解釈しているの?)

「早くやっちまおうぜ。毛色の違う娘で、楽しめそうだ」

 三人目の男がズボンのベルトを外し始める。その動きに、桜子はギョッとなった。

 粗野で、油でなのか黒く汚れた大きな手が、グレーのダッフルコートの上から腕を掴んだ。

「きゃっ!」

 掴まれた感覚は、現実のように思える。

(夢なのに、リアルに感触がわかるなんて)

「黒髪に黒い瞳。どこの国の女だ? 言葉はわかっているのか?」

 桜子をジロジロ見ながら、ポニーテールの髪に触れてくる男。

「触らないで!」

 桜子は日本語で言ったつもりだが、男たちに通じたようで、髪を引っ張られた。

「ベルタッジア語がわかるみたいだ」
「べ、ベルタッジア……語……?」

 まったく知らない言葉に、桜子は不安になる。しかし、やはり夢なのだと思い直す。地球上にそのような言語は、知るかぎり存在しない。

「そんなことはどうでもいいだろ。人が来ないうちに、早くやっちまおうぜ。おい、手を押さえつけておけ」

 三人の男たちはニヤニヤし、いやらしい顔になって、桜子は恐怖を感じ始めた。


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