平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
(この人たちは、私を犯そうとしているの?)

 桜子が考えているうちに、ひとりの男に足を引っ張られ、倒されてしまった。

「きゃっ!」
 
そして、男はダッフルコートのウッドトグルに手をかけるも、外し方がわからないようだ。

 まるで現実のような力に、桜子は夢ではないのかと半信半疑になった。

(なにかがおかしい……夢じゃないの……?)

 男たちは中東系のような顔つきで浅黒く、目鼻立ちがはっきりしている。まるで中東諸国に迷い込んだような世界だ。

「くそっ! なんなんだ! この服は!」

 脱がせられない服に、男は苛立ちを見せる。そして、男は桜子の唇にキスをしようとした。

(いやっ!)

 顔を背けると、ねっとりした気持ち悪い唇の感覚が頬に当たる。その瞬間、桜子は胃液がせり上がってきて、吐き気をもよおした。

 乱暴になんとかダッフルコートを脱がした男は、桜子の太腿に手を這わせる。

(夢でも、このまま男たちの好きにさせるなんて、絶対にいやっ!)

 桜子は力を振り絞って、男たちの手から逃れようと懸命に身体を動かした。右手を押さえていた男の手が離れた。

 自由になった手のすぐ近くに、竹刀袋が見えた。

 
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