平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
桜子に毒を持った女官は、翌日見つかった。自分の部屋に毒を隠していたところを発見され、抵抗することなく捕まった。
あとは桜子の回復を待ち、その女官が部屋から出てきた人物か確認するだけだ。
桜子の容態は翌々日にはよくなり、その間カリスタを心配させたが、かいがいしく解放されたおかげで回復も早かった。
「サクラ、よくなってよかったよ。廊下に倒れているのを見て、心臓が一瞬止まったんだ」
「いろいろありがとうございます。カリスタ。もう熱もないし、食欲もあるから大丈夫です」
寝台の上で上体を起こしている桜子は、カリスタを安心させるように微笑む。
「殿下も、それはそれは心配していたんだよ」
ディオンが心配してくれていたと聞いて、恐縮する思いだ。今回のことは桜子が悪いわけではないのだが。自分が狙われた理由がわからない。
「犯人も見つかったんだからね。安心するといい。部屋の周りは衛兵が守っていてくれている」
「犯人が捕まったのだから、衛兵は必要ないかと……」
自分のために仕事を増やされた衛兵は、たまったものではないだろう。
「いやいや、念のためにだよ。殿下も安心できないでいるらしい。サクラの体調がよくなりしだい、その女官を確認してほしいようだよ」
「確認を……今、その女官はどこにいるんですか……?」
桜子が想像する人物は、庭で髪が枝に絡んでしまったところを丁寧に取ってくれた女官だ。
あとは桜子の回復を待ち、その女官が部屋から出てきた人物か確認するだけだ。
桜子の容態は翌々日にはよくなり、その間カリスタを心配させたが、かいがいしく解放されたおかげで回復も早かった。
「サクラ、よくなってよかったよ。廊下に倒れているのを見て、心臓が一瞬止まったんだ」
「いろいろありがとうございます。カリスタ。もう熱もないし、食欲もあるから大丈夫です」
寝台の上で上体を起こしている桜子は、カリスタを安心させるように微笑む。
「殿下も、それはそれは心配していたんだよ」
ディオンが心配してくれていたと聞いて、恐縮する思いだ。今回のことは桜子が悪いわけではないのだが。自分が狙われた理由がわからない。
「犯人も見つかったんだからね。安心するといい。部屋の周りは衛兵が守っていてくれている」
「犯人が捕まったのだから、衛兵は必要ないかと……」
自分のために仕事を増やされた衛兵は、たまったものではないだろう。
「いやいや、念のためにだよ。殿下も安心できないでいるらしい。サクラの体調がよくなりしだい、その女官を確認してほしいようだよ」
「確認を……今、その女官はどこにいるんですか……?」
桜子が想像する人物は、庭で髪が枝に絡んでしまったところを丁寧に取ってくれた女官だ。