平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「カ、カリスタっ。なにがおかしいんですかっ?」
「クッ、クク……。いや、殿下がねえ……おかしくて、笑いが止まらないよ」
カリスタの茶色い瞳に、笑い涙まで浮かんでいる。
「まあ、無理もないかねえ。そんな誤解をサクラにされていると知ったら、殿下はショックを受けるだろうよ」
「意味がわかりません。誤解って、違うんですか?」
カリスタはいつも所持している薄布で目じりを拭く。
「殿下は女ったらしではないから、安心しなさい。あれは口だけで、実のところ女には興味がなかったんだよ」
カリスタの言葉は桜子に再び誤解を与える。
「女には興味がなかった……? もしかして、男の人が好きなんですか? 恋人は……あ! イアニスさま?」
またも桜子の頓珍漢な誤解に、カリスタは笑いが止まらなくなった。
「ウー、ククッ、ク……サクラは可愛いね~。楽しませてくれるよ。こんなに笑ったのは何年ぶりだろうか。もう酒でも飲みたいねえ。誰かいないか?」
カリスタは扉の向こうに声をかけた。すると、いつもエルマの後ろについてくる女官が姿を見せる。
「酒を持ってきておくれ」
「はい。カリスタさま」
女官は俯きがちに膝を折り、出ていった。
「クッ、クク……。いや、殿下がねえ……おかしくて、笑いが止まらないよ」
カリスタの茶色い瞳に、笑い涙まで浮かんでいる。
「まあ、無理もないかねえ。そんな誤解をサクラにされていると知ったら、殿下はショックを受けるだろうよ」
「意味がわかりません。誤解って、違うんですか?」
カリスタはいつも所持している薄布で目じりを拭く。
「殿下は女ったらしではないから、安心しなさい。あれは口だけで、実のところ女には興味がなかったんだよ」
カリスタの言葉は桜子に再び誤解を与える。
「女には興味がなかった……? もしかして、男の人が好きなんですか? 恋人は……あ! イアニスさま?」
またも桜子の頓珍漢な誤解に、カリスタは笑いが止まらなくなった。
「ウー、ククッ、ク……サクラは可愛いね~。楽しませてくれるよ。こんなに笑ったのは何年ぶりだろうか。もう酒でも飲みたいねえ。誰かいないか?」
カリスタは扉の向こうに声をかけた。すると、いつもエルマの後ろについてくる女官が姿を見せる。
「酒を持ってきておくれ」
「はい。カリスタさま」
女官は俯きがちに膝を折り、出ていった。