平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「いいえ。もう平気です。会わせてください」
(犯罪人であれば、パベル神を前にしたら正直になるはず)
「では私の隣に座っていなさい」
パベル神の隣に宝石が埋め込まれた玉座があり、その隣にニコが飾りのない椅子を運んできた。その椅子に桜子は座る。
「女官を連れてきてください」
イアニスがラウリに命令し、彼は裁きの間を出ていく。
すぐに黄色い衣装を着た女官を連れて、ラウリが戻ってきた。茶色い髪はボサボサで、俯いており、疲れきった様子。重みのある鉄製の足枷のせいで、たどたどしい歩き方だ。
女官はディオンから四メートルほど離れた前に、乱暴に膝立ちさせられた。ふらつく身体に、桜子は自分がここに来たときのことを思い出してしまい、同情を覚える。
イアニスが一歩前にスッと出て、口を開いた。
「女官、ザイダ・カサス。お前はこの者を殺そうとして、毒を水に入れた罪を認めるか?」
俯いたままのザイダは口ごもったままで、返答は届かない。
「おい! はっきり話せ!」
ラウリがザイダの腰を蹴り飛ばし、彼女はうめき声をあげてその場に倒れる。
「蹴らないでくださいっ!」
桜子は椅子から立って、ザイダの元で床に膝をついた。
「サクラ!」
ディオンは桜子の行動に驚き、冷酷な表情を崩して立ち上がる。
「大丈夫ですか?」
倒れたザイダの身体を起こそうとする桜子だ。抵抗することなくザイダは身体を起こし、桜子に向かっていきなりガバッと頭を床につける。
(犯罪人であれば、パベル神を前にしたら正直になるはず)
「では私の隣に座っていなさい」
パベル神の隣に宝石が埋め込まれた玉座があり、その隣にニコが飾りのない椅子を運んできた。その椅子に桜子は座る。
「女官を連れてきてください」
イアニスがラウリに命令し、彼は裁きの間を出ていく。
すぐに黄色い衣装を着た女官を連れて、ラウリが戻ってきた。茶色い髪はボサボサで、俯いており、疲れきった様子。重みのある鉄製の足枷のせいで、たどたどしい歩き方だ。
女官はディオンから四メートルほど離れた前に、乱暴に膝立ちさせられた。ふらつく身体に、桜子は自分がここに来たときのことを思い出してしまい、同情を覚える。
イアニスが一歩前にスッと出て、口を開いた。
「女官、ザイダ・カサス。お前はこの者を殺そうとして、毒を水に入れた罪を認めるか?」
俯いたままのザイダは口ごもったままで、返答は届かない。
「おい! はっきり話せ!」
ラウリがザイダの腰を蹴り飛ばし、彼女はうめき声をあげてその場に倒れる。
「蹴らないでくださいっ!」
桜子は椅子から立って、ザイダの元で床に膝をついた。
「サクラ!」
ディオンは桜子の行動に驚き、冷酷な表情を崩して立ち上がる。
「大丈夫ですか?」
倒れたザイダの身体を起こそうとする桜子だ。抵抗することなくザイダは身体を起こし、桜子に向かっていきなりガバッと頭を床につける。