No border ~雨も月も…君との距離も~
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「 また、来ます。」

真山さんは、そう言って ケラッと笑った後……

「 紗奈ちゃんが好きです。」

今度は、真剣な眼差しで 私を見つめた。



“ 紗奈。……結婚しよう。 一緒にいよう。”



そう言ったシンの声を……

あの冬の 儚い粉雪を……

私は……いつか忘れるのだろうか。



真山さんは、素敵な人。

いつか……忘れることができたなら 私は迷わず 真山さんに YESを言うだろう。



この冬は……いつ終わるのだろうか。

永遠に続く……この冬は 春を待つこともできないというのに……。

言葉に できないほど、私はシンを愛していた。

今でも、その眼差しが恋しくて……そんな時は 美音を抱きしめて……

眠った。

言葉にできない分……抱きしめて。



真山さんが、去った後…私は 外にかかる虹に気づいて、思わず 窓を開け放った。

通り雨。

それは……こんなにも 美しい現象を作り出す。



「 ママっ !注文入りました。夕方に届けて欲しいらしいです。
知ってます? BIG4…ライブハウスです。」

よく……知っている。

「 BIG4……?」

「 はい。カラアゲ弁当、3つ……。」

BIG4は 本店の方が 近いから、こっちの2号店に注文が入ることは 今までに1度もなかった。

「 ……ママ? ……聞いてます?」

「 あ~ぁぁ……(笑) ははっ。 ごめん、ごめん。 ボーーっとしたっ! 3つね……。

1つ……大盛? 」

「 ……あぁ~。そうです! 1つ……大盛で。」

「 (笑) 」


BIG4……



懐かしい。

あの頃の…… 私の居場所。

私たちの……大事な場所だった。

突然の注文に 胸が高鳴るのがわかった……。




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