副社長はワガママ5歳児。
近くにあったお店の軒下で
しばらく止むのを待ってみたが
雨足は強まるばかりで
一向に止む気配はない。
ふと、昔の事を思い出した。
1度も手を繋いで歩いた事はないと
思っていたけど、彼と手を繋いで
帰った夜の事を。
その日も、今日と同じように
突然、雨が降り出した。
傘を持っていなかった私が
雨宿りをしていると、自宅の方から
彼が走って迎えに来てくれた。
2本傘を持って来たのに
今日はこれで帰ろうかと彼が言って
手を繋ぎながら相合傘をして帰った。
そこに愛は確かにあった。
私はちゃんと愛されていた。
じゃあ、何故、彼は突然
いなくなってしまったのだろう...。
なんて、そんな事考えても無駄か。
どんよりとした空気のせいだろうか。
雨の日は何だか少し感傷的な気分に
なってしまう。