副社長はワガママ5歳児。
朋輝「ほら、言っただろ?
紫苑はお前じゃなく俺を選ぶんだよ。
紫苑は可哀想な方を選ぶんだ。
お前よりも遥かに俺の方が哀れだからな。
そういう同情の中でしか紫苑は生きられない。
両親に愛されなかったから。
俺がどこで何をしてようが、紫苑は
明かりを付けて家で待ってれば喜ぶし
迷惑かけても頼ってくれる方を選ぶ女なんだよ。
お前の方こそ紫苑の何を知ってんだよ。」
もう無理だ。誤魔化せない。
紫苑「うるさいんだよ!!
もうあんたの話なんて聞きたくない!」
朋輝「...紫苑?どうしたんだよ?」
紫苑「可哀想?ふざけんな!
あんたのどこが可哀想だ!
物心ついた3歳の頃から私はずっと
明かりの灯らない家に帰ってた。
あんたの言う通り私はずっと
寂しかったよ。おかえりって言って欲しい。
晩御飯の匂いが充満する温かい
リビングに帰りたい。そう願ってた。
でも、あんたといても満たされなかった。
あんたは1度も私の願いを
叶えてくれた事はなかった。」