副社長はワガママ5歳児。

こんな人のどこが良かったのか
今はもう思い出せない。

朋輝「何、言ってんだよ。
お前は幸せだって言ってただろ?」

紫苑「幸せだと思ってたよ。
でも、違ったんだよ。
あんたと過ごした日々は
幸せじゃなかったんだよ。」

私の7年間は幸せじゃなかった。
お互いが利用し合うだけの関係だった。
生活の面倒を見て貰いたい朋輝と
寂しさを埋めたい私。

紫苑「初めて知ったんだ。
人から優しくされる事の嬉しさ。
初めて知ったんだ。
人に愛される事の喜び。
初めて知ったんだ。
人を頼るって事の意味。
そんな初めてを教えてくれたのは
あんたじゃない!この人だ!
7年もの長い歳月をかけて一緒にいた
あんたじゃなくて
数ヶ月の短い歳月の中で
この人が教えてくれたんだ。私に。」

もちろんそこに愛はなかった。
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