副社長はワガママ5歳児。
29年も生きていれば色々ある。
忘れられない恋も不愉快な恋も
思い出したくない恋も誇らしい恋も。
でも、私にとってそれらの恋は
1つの恋に全部丸ごと放り込まれている。
7年間の大恋愛。
...なんて大それたものではないけど
私にとってはその恋が全てだった。
半年も前に別れたのに未練がましい。
私は記憶にフタを閉じたくて
布団を頭まで被り眠りについた。
どれくらい経っただろうか。
もう何時間もトイレに行ってなかったら
トイレに行きたくなって私は目覚めた。
布団を剥がしベッドから
起き上がろうとしたけど
右手がうまく使えない。
手が使えないのって不便なんだ。
悠真「どこ行くの?」
紫苑「...起きてたんだ。」
悠真「眠れる訳ないだろ。」
そりゃそうか。
お坊ちゃまは床でなんて寝ないもんね。