エリート御曹司は獣でした
気持ちを立て直して、「自慢できるもの、ありますよ!」と強気に言い返した私は、ポケットからスマホを取り出すと、写真フォルダを開いて一枚の画像を見せた。

それは、肉タワー鍋の写真である。


先月、新年会と称して大学時代からの女友達五人を私の自宅に招待し、肉を楽しんだ。

土鍋の中に、キャベツやニラ、きのこ類などの野菜を入れ、スープは市販の鶏がらスープの素に、ネギ油と焦がしにんにくを加え、味噌と醤油を少々。

土鍋の中央にもやしをこんもりと盛って、そこに豚バラ薄切り肉を巻き上げ、タワーにする。

見た目にインパクトがあるから、友人たちは写真を撮りまくって喜んでくれた。

味はもちろん最高。

たっぷりの豚バラ肉から旨みが出て、残ったスープに卵とチーズを入れて雑炊を作り、それもまた美味しかった。


立ち上がった私は、肉タワー鍋の画像を印籠のように掲げて胸を張り、大いに自慢する。


「タワーの高さはなんと、三十センチです。豚バラ肉はスーパーの特売品ではなく、老舗肉屋の百グラム三百五十六円もする高いものを使いました。綺麗に巻き上げるのは結構大変なんですよ。どうですか、見事でしょう!」

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