エリート御曹司は獣でした
肩を抱く久瀬さんの手に力が込められ、ピッタリと体を寄り添わせた私が鼓動と呼吸を乱していたら、眉間に皺を刻んだ彼の口から厳しい言葉を聞いた。


「相田さんは、俺の恋人だ。俺には恋人を守る権利と義務がある。今回は許してやるが、今後、卑劣な真似をしたらどうなるか……よく考えろ」


ああ、そういうことか……と私はやっと混乱から抜け出して、息を吐いた。

それは安堵と残念な気持ちが混在した、ため息だ。


私が告白されたのを忘れていたわけではなく、久瀬さんは私を守ろうとして嘘をついたのだ。

恋人を守る権利と義務、それを主張するために。


私のためにそこまでしてくれて、嬉しいような、虚しいような……。

私を好きになってほしいという欲張りな願望を抱いているため、複雑な心持ちでいた。


「冗談でしょ?」


上擦るような乗友さんの声が聞こえて、私の意識はやっと彼女たちに向く。

三人とも信じられないと言いたげに眉を潜め、私と久瀬さんを見比べている。

特に乗友さんは、嘘を見破ろうとするかのように、明らかな疑いの視線を向けていた。


「なぜ信じない?」と久瀬さんが冷静に問いかければ、半笑いの返事をされる。

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