エリート御曹司は獣でした
本物の恋人にしてくれるかもしれないという期待が膨れ上がり、私は返事の代わりにそっと目を閉じた。
ほのかにミントの香りがする吐息が私の唇にかかり、久瀬さんの唇が、ほんの数センチの距離まで近づいていることを知る。
振り切れんばかりの鼓動に苦しさを覚えつつも、唇が触れ合う瞬間を待ちわびていたら……。
「あの……」と声をかけられた。
それは女性の声で、ハッとした私は目を開け、久瀬さんも慌てて私から離れる。
「私、このまま見ていても大丈夫ですか?」
ごく普通のテンションで、そう問いかけたのは八重子ちゃん。
大会議室には、いつものように長机が整然と並べられており、私たちから二メートルほど離れた席に八重子ちゃんがこっちを向いて座っていた。
八重子ちゃんの存在を、すっかり忘れてた……!
目の前でラブシーンを繰り広げようとしていたことを、慌てて謝ろうとした私であったが、ポケットからスマホを取り出した八重子ちゃんに先に話される。
「もし、見学していてもいいんでしたら、私のことは気にせず、どうぞキスしてください。記念に写真撮りましょうか?」
「写真は撮っちゃダメだよ!」
ほのかにミントの香りがする吐息が私の唇にかかり、久瀬さんの唇が、ほんの数センチの距離まで近づいていることを知る。
振り切れんばかりの鼓動に苦しさを覚えつつも、唇が触れ合う瞬間を待ちわびていたら……。
「あの……」と声をかけられた。
それは女性の声で、ハッとした私は目を開け、久瀬さんも慌てて私から離れる。
「私、このまま見ていても大丈夫ですか?」
ごく普通のテンションで、そう問いかけたのは八重子ちゃん。
大会議室には、いつものように長机が整然と並べられており、私たちから二メートルほど離れた席に八重子ちゃんがこっちを向いて座っていた。
八重子ちゃんの存在を、すっかり忘れてた……!
目の前でラブシーンを繰り広げようとしていたことを、慌てて謝ろうとした私であったが、ポケットからスマホを取り出した八重子ちゃんに先に話される。
「もし、見学していてもいいんでしたら、私のことは気にせず、どうぞキスしてください。記念に写真撮りましょうか?」
「写真は撮っちゃダメだよ!」