エリート御曹司は獣でした
そうしているうちに三分が経過したようで、苦しげに呻いた彼に元の意識が戻ってきた。

ぼんやりと焦点の合わない瞳が、ハッとしたように私のはだけた胸元を捉え、後悔に顔をしかめている。


「俺は、またやってしまったのか……」


私に背を向け「ごめん」と謝る彼に、胸が痛んだ。

私も流されかけたことを謝りたい気持ちでいるが、それを口にすれば、二度目の治療に協力する機会を失う気がした。

それで、乱された服を整えつつ、明るく声をかけ、彼の心の負担を軽くしようと試みる。


「私のことなら気にしないでください。これくらいヘッチャラです。久瀬さんが苦しみだしてすぐにここへ駆け込んだので、長野さんたちに変身体質を気づかれてもいませんよ。なにも問題ありません!」

「ありがとう。相田さんがいてくれて助かった。だけど君を……ごめん」

「謝るのは私の方です。軍艦にスダチを絞ったところを見ていたのに、変身を予測できなかったんですから。商品として売られているポン酢じゃなくても、ダメなんですね」

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