恋の神様に受験合格祈願をしたら?
「ニコ、その話、とっても興味があるんだけど」
 ハルちゃん、いつもの可愛い笑顔はどこへ? 目が笑ってないよ。
「私も気になる。ニコが恋のお守りを持ってたこと自体知らなかったし、どうしてこの中途半端な時期に返すのかなって」
 リカちゃん、笑顔が怖いよ。
「祈願もののお守りは、成就したら速やかに返却だもんね。そうよね。成就したものね」
 仁美先輩がフフフフフッと笑った。
「ちょっと吐きなさい! それ、どこのお守り?」
 リカちゃんが身を乗り出すと、
「どんなふうにご利益あったかは全部知ってるから説明いらないわ。けど、いつ買ったか教えて? 即効性あるの?」
 仁美先輩まで食い入り、
「ニコ、まずは神社の名前教えて。今、ネットで検索するから」
 ハルちゃんがケータイを取りだした。
「えっと……その……」
 3人の迫力に、私はタジタジになる。
「早く!」
 リカちゃんと、
「どこなの?」
 仁美先輩と、
「1人だけ恋愛のお守りを買ってるなんて、抜け駆けだからね」
 ハルちゃんが迫ってきて……。
 私は、「買ったわけじゃなく、貰ったんだけど」と前置きしてから、「遠いよ?」と3人の顔を窺った。
「遠いっていっても国内でしょ?」
 前向きな仁美先輩と、
「最強のお守りを前に撤退はないから」
 いつになく食い気味なハルちゃんと、
「いいから教えなさい!」
 引く気がないリカちゃんに、私は詰めよられてしまう。
 もう、逃げられない。
「実はね」
 覚悟を決めた私は、誰にも言わずにいたお母さんだけが知る真実を話し始めた。
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