永遠に愛を貴方に捧げて


「相変わらずリリィは甘い匂いがする」
「甘い匂い?私にはまったくわからないけれど。狼はやっぱり嗅覚が鋭いのね」
「やっぱ俺の結婚相手はリリィがいいな。リリィとなら毎日楽しそう」
「そうね。私の貰い手がいなかったら、貰ってちょうだ…」

リリィはロイの後ろにウィルがいるのを見つけて言葉が続かなかった。

ウィルは殺気立ってロイを睨みつけていた。

「そんなに睨まれたら後ろからでもわかるよ。怖いなぁ、ウィルくんは」

ロイはまったく怖くないのか振り返ってウィルに言う。

私からじゃ見えないけれどロイはきっと笑顔に違いない。

「黙れ。姫に触るな」

今にも剣を抜きそうなウィル。

「ウィル!一応ロイは王子よ!」
「一応ってリリィ、それ全然フォローになってないんだけど」
「ロイもロイでウィルを挑発しないで!」

きっとキスも結婚の話もウィルを挑発するためにわざとやったのだ。

昔から何かとウィルを挑発しては楽しんでいるロイ。

‥あとで私もウィルに怒られるのだから勘弁して欲しい。

< 22 / 65 >

この作品をシェア

pagetop