永遠に愛を貴方に捧げて

「リリィとはね、君がリリィと知り合うずっと前に出会ってるんだよ。俺の方がリリィと仲良いからね」

私の言葉を無視して、やれやれと首を振りながら言うロイ。

本当にウィルを挑発をするのが好きなのね。
これじゃあ好きな子にわざと悪戯してるみたい。

しかしこの挑発を無視してウィルはリリィと向き合って、

「やすやすと触れさせないで下さい」

機嫌の悪い表情でリリィに言う。

「ごめんなさい。ほら、ロイって狼だからなんかペットみたいで…」
「ですがあいつは男です」
「そうよね。気をつけるわ」
「いつもそう言ってますが?」
「‥二度としません」
「次があった場合、覚悟しといて下さい」
「わかったわ」

覚悟って…きっとお説教2時間ぐらいされるんだわ。

「ちょっと、俺の存在は無視ですか?」
「あ、…無視してないわ」
「絶対忘れてたよね。まぁ、いいけどさ。で、俺が今回来たわけなんだけど…周りには聞かれたくない話なんだ」
「えぇ。とりあえず城の中に入りましょう」
「助かるよ」

王子が直々に来たということはそれだけ重要な話があるということだ。

そもそも来るって連絡もしてないわよね?
緊急事態なのかしら。

「お兄様を呼んだ方がいい?」
「ルークと王には後で俺から話す」
「そう。ウィルは?」
「ウィルくんは別に聞いてもいいよ。ただ、いい話ではないけど」
「姫、私も行きます」
「わかったわ」

落ちた本を拾って三人で城の中に入る。
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