俺が必ず守るから


「美樹にさ、がんばってるっていってあげて。もう美樹は十分頑張ってきたって」


「え?」


「美樹はきっといま不安で押しつぶされそうになってると思うんだ。自分を責めて否定することで精一杯で。でも美樹は勉強していきたいところに受かって。もう十分すぎるくらい頑張ってきた。それを俺のせいで無駄にしてほしくはない。美樹を説得してやってほしい」


俺はこんなことを言える立場なんだろうか。


きっと違う。


でも美樹には夢を諦めてほしくなかった。


俺なんかのせいで、美樹が看護師を諦めるなんてそんなの間違ってる。



「うん、わかった。がんばってみる」


「ありがとな」


芹沢はきっと美樹を説得してくれる。


そして俺は俺で必死で生きようと思った。

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