オジサンに恋しちゃダメですか
後ろから外川課長が、叫んで来た。

そう言う事じゃなーい。

私の時間が、無くなっていくの!


「いいか!この時間は、無駄ではない!いつか、瀬田の力になって返ってくる!」

私はゆっくりと、振り向いた。

「……なんだか、外川課長。監督みたいですね。」

「監督?部活のか?」

「もしくは、学校の先生。」

「いいな、それ。」

すると外川課長は、私が直した見積書に印鑑をくれた。

「もう、帰ってもいいぞ。」

「本当ですか?」

「ん?ああ。」

その時の、ニヤリとした外川課長の表情を、私は見逃さなかった。


「これからは俺が、瀬田の先生になって、みっちり鍛えてやるからな。」

「怖っ!」

私は思わず、口を手で押さえた。

「なんだ、怖いって。俺が怖いのか!?」

「その通りです。」

それから別な意味で、残業になってしまったのは、言うまでもない。
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