オジサンに恋しちゃダメですか
こういう時だけ、要領よく切り抜ける春乃の運の強さを、見習いたい。

「瀬田、四宮。」

「はい。」

急に外川課長に呼ばれた私達は、急いで課長の前に行く。

「二人明日、9時半まで会社に来れる?」

「俺は、大丈夫です。」

マジか。

30分、時間が早まったか。

「私もです。」

四宮君だけ30分早く来させて、一人のんびり市民公園に向かう気にはなれない。

なんて、損な性格。


半ば、肩を落として歩いていると、また外川課長に呼ばれた。

今度は、私一人だ。

「もしかして、明日用事でもあったか?」

「いえ。何もないです。」

すると課長は、ニコニコしながら、私に手招きをした。

「はい?」

課長に近づくと、耳の側で囁かれた。

「明日がんばったら、何か奢ってやる。」
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