オジサンに恋しちゃダメですか
「う、うん。」

「私がいると、ダメ?」

私が戸惑っていると、春乃が積極的に攻めた。

「ダメじゃないけど、聞いてなかったから。店、二名分で予約したんだよな。」

四宮君が、時計をチェックする。

「だったら、私はこれで……」

私がいなくなろうとすると、隣にいる春乃に、肩を捕まった。

「もう一席、空いてるといいわよね。」

春乃の、低音ボイスが怖い。

要するに、二人っきりだと身が持たないから、一緒にいてくれって事ね。


「ちょっと、聞いてくる。」

四宮君は、店の中に入ると、直ぐ出て来た。

「もう一席、空いてるって。」

ほっとする春乃に、背中を押され、私はお店の中に入った。

そこはテーブル席で、四宮君の向かい側には、春乃が座った。

ちゃっかりしてるよ、春乃は。
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