オジサンに恋しちゃダメですか
課長はそう言うと、伝票を持って、お会計の方へ行こうとした。

そんな課長の袖口を、私は必死に掴んだ。

「えっ?……」

当然驚く課長。

何をやってんだ、私。


でも、このまま課長を、一人にして戻る事なんて、できない。


「課長。私とも、お茶して下さい。」

やばい。

こんなおねだりするなんて、私の気持ち、分かちゃったかな。

ちらっと課長を見ると、はぁっとため息をついていた。

ああ、課長。

私の事、呆れているよ。


「分かった。俺も飲み直すわ。」

そして課長は、私の体を後ろに向かせると、背中を押した。

私はその勢いのまま、あの彼女が座っていた席へ。

ほんのり、バラの香水の匂いが、残っていた。


「で?何で、ここにいるんだ?」

その質問に、背中がピンと伸びあがった。
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