オジサンに恋しちゃダメですか
そしてその日の帰りに、私は眼鏡さんのところへ寄った。

「これ、できてるよ。」

「ありがとうございます。」

デザイン画を受け取ると、姿形まで、大分変っていた。

「これは……」

「あんなに訂正、入れられちゃあね。訂正の通り、直したつもり。」

胸が痛くなった。

眼鏡さんには眼鏡さんなりに、この商品に、思い入れがあるのに。

「ありがとうございます、ありがとうございます。」

私は2回もお礼を言って、頭を下げた。

「あなたは、営業部の何さん?」

「えっ……瀬田です。」

「瀬田さんね。そんなに謝らなくても、仕事だからいいんだよ。」

眼鏡さんは、そう言うとあっさり、自分の席に戻って行った。


そして私は、営業部に戻って、課長に眼鏡さんから預かったデザイン画を渡した。
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