クールなアイドルの熱烈アプローチ
「……写真でも見たけど、それ、似合ってる」

「あ、ありがとうございます……。
でも、越名さんが来てくれてるならもっとちゃんとした格好したのに……」

「いや、これがいい」

可愛い。と目を細める勇人に陽菜はもういっぱいいっぱいだった。

「ライブ中も、電話している時も、会いたくて仕方なかった」

「あ……わ、私も、です……」

ーーなんだろう。なんなんだろう……。越名さんから出てくる言葉全てが甘い……。
ただでさえ隣に座ってドキドキしているのに、心臓が爆発しそう……!

まるで恋人同士のような会話に陽菜はどぎまぎしてしまう。
そんな陽菜を見て勇人は小さく笑っていた。

「あれから変わりない?
無くなった物とか、怪しい人とか」

「あ、は、はい。あまりにも手帳だけがなくなるので最近はもう使ってなくて……。
怪しい人もいないです。みんないい人です」

「そう……。
ところで、最近頻繁に会う人は?」

「頻繁に、ですか?」

その問いかけに陽菜は人差し指を口元に当てて考える。

仕事を増やした分、共演する人やスタッフの人達と何度も会うようになったが勇人の求める答えはそれとは違う気がした。

「……一人だけ、共演者でもないのによくすれ違う人がいます」

「誰?」

「大堂さんです」

陽菜の答えに勇人は自分の手を強く握ったのだが、陽菜はその事には気付かなかった。
< 73 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop