クールなアイドルの熱烈アプローチ
「秋村さん、越名さんと付き合ってるって本当ですか?」

あの対談した日から暫くしてから、スタッフの人にこっそりと聞かれることが多くなった。
もちろん付き合ってるわけではないので、やんわりと否定はしているのだが、聞かれるたびに真っ赤になってる自覚はあるので陽菜の中で芽生えた気持ちは周囲にバレバレだろう。

「噂では越名さんが秋村さんに惚れ込んでるって」

「ほっ……!?」

何て噂が流れているんだろうかと二の句が継げなくなっている陽菜を気にすることがない衣装係の彼女は余程お喋り好きなようで、話が止まらなかった。

「Kaiserと付き合ってるという噂が出るのもビックリですけど、相手が古河さんじゃなく越名さんというところがさらに噂が広まってる原因みたいですね」

「え……越名さんだから、ですか?」

それは、あの越名勇人と付き合うなんて許せない!!とかいう敵意からだろうかと陽菜は顔色を青くさせるも、そんな陽菜の様子に気付かない彼女は衣装を整えながら頷いた。

「あのルックスですから、初めはみんな付き合いたいって願望を持って近づくんですけど、越名さんって自分から何も話さないし間が持たないし笑顔もないし……すぐに恋愛対象外になるんです。
万が一にも付き合えても、恋人としてはつまらないだろうって……」

「そんなことないです!!」

陽菜が珍しく力一杯否定するので、驚いた彼女は手を止め陽菜を見つめる。
陽菜は両手を胸の前で力一杯握って、勇人の今までの言動を思い返していた。
< 80 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop