クールなアイドルの熱烈アプローチ
「……もっとアイツ引き付けとけよ。
本当、お前使えねーな」

「す、すみません……。
ですが、これ以上は収録もありましたし引き止めようが……」

「何?俺に言い訳するわけ?」

指示された場所に移動しながら大堂と蛯名は小声で話す。

かなり怯えた様子で声を震わせるマネージャーの蛯名と、冷たく低い声を出す無表情の有名新人モデルの大堂の様子は見る人が見れば異様な光景だっただろう。

「俺がいるおかげで、あんたのいる弱小事務所は救われてんだろ?
移籍されて事務所潰されたくなかったら言うこと聞いとけよ」

「……はい……」

吐き捨てるように言い放った大堂は光輝くライトに照らされた立ち位置へと進む。

その顔はにこやかな笑顔を浮かべたいつもの人気モデルの大堂恭矢で、先程までの威圧感はなかった。
蛯名は自分の拳を強く握りしめ、己の無力さに唇を噛んだ。
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