【本編完】最恐No. 1はそこにいる




今日は街の方へ行ってみるか。


海から街へは反対方向だし、

街だったらもし会っても言い訳ができるだろう。


すぐに準備をして出掛ける。

案外早く街の入口に来た。


するといい匂いが香ってきた。


その方向へ進むとそこは露店街になっていた。


色んな食べ物が売っていて、

昨日の場所より賑わっていた。


何個か見繕い、近くの食事スペースに座った。


昨日の露店は観光者用だったのが分かる。


ここの露店の食べ物は、

好き嫌いが分かれる地元の食事のようだ。


でも俺には合っていたようで美味しく食べ終えた。



さて、次は…


松原と東堂にお土産買っていくか。


そういえば松原は自分用の湯呑みが無かったな。

東堂は…酒かな。


地元ならではの湯呑みや酒があり迷ったが、

最終的に実用的でシンプルな物と辛口の物にした。


時間がかかったと思っていたがまだお昼になっていなかった。


何もないし一旦帰るか。

荷物もあることから部屋に戻った。


そういえばベランダがあったな。


窓を開け、手入れされた椅子に座る。


いい眺めだ。


俺はそこで本を読んだり仮眠をするなどして過ごした。


夕方になった頃、

ドアの向こうに微かに音が聞こえた。


ガチャ


「おかえり。」


「あ!真!ただいま!

用事は終わったの?」


詩音が飛びついてきて言った。


「あぁ、一緒に行けなくてごめんな。」


「次!次は一緒に遊ぼうね!」


「あぁ。」


頭を撫でるとワカメが付いてきていた。


「ふっ、

詩音、楽しんだみたいだな。」


「え?

…あぁー!

こ、これは、違っ!んー!」


その日寝るまで皆からのワカメいじりに激怒する詩音が見られた。







< 66 / 82 >

この作品をシェア

pagetop