本当に優しいのは、君でした。(短)
最期、骨になった父と母を見た。


私はそこでも、泣けなかった。

「舞ちゃんは、冷たい子ね」



誰に何を言われても関係ない。

「泣かないの、舞。

最期だよ」


「私は泣かない」









空だけが、わかってくれたらそれでいいーー。













数日後。







両親の遺品を整理していると、随分大きな箱が出てきた。



なんだこれ?

私は箱を開けた。





これーーーー





中には、ウェディングドレス。



真っ白な綺麗に保管されたウェディングドレス。




"舞へ

私達が、結婚した時のドレスです。

今度は舞が着てください。
幸せになってください"




何これーー。

まるで、これじゃまるでーー、死ぬのがわかっていたみたいじゃん。



お母さんの字だ。



紙に、大きな字で書かれた母親の独特な字。


< 14 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop