契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~

「結婚したらまず、道重堂って名前を変えたいな。もっと横文字が入る感じの方が絶対いいと思うの』

「……例えば?」

「んー、パティスリーMICHISIGEとか?」

「パティスリーの意味を調べてから言ってくれ」

脱力するような会話に生気を吸い取られたのが、一人目の女。

「同級生の女子が、とにかく自分の暮らしがどれだけセレブなのかSNSでアピールしてきてうざいんです……!」

「あんなもの、見栄を張って実際よりもよく見せているに決まってる」

「そうかもしれませんけど、私、彰さんと結婚することでその子に勝ちたいんです! いい車に乗って、港区のマンションの最上階に住んで、年に十回以上海外旅行に行って!」

「……悪いが俺と結婚したら港区でない場所の一軒家に住むことになるぞ。それに、仕事が忙しくて年に十回も海外旅行に行ってる暇なんかない」

「えっ……」

二人目は、絶句してそのまま見合いを辞退した。……そして三人目は。



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