契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
それって、花火大会の夜帰宅した後のこと? じゃあ、もしかしてあの時眠っていたように見えた彰さんは……。
「お、起きてたんですか!?」
「ああ。社長室で中途半端に触れたお前の肌が忘れられなくて、寝室に行ったら欲望のままにお前を抱いてしまいそうだったからな。ソファで煩悩と闘いながら無理やり寝ようと思ったが、なかなか寝付けないでいたところだ」
いやー! なんてことなの……! 彼の記憶を抹消したい!
今さら後悔に頭を抱えても、後の祭りだ。彰さんはなおもその夜の記憶について語る。
「キスもさることながら、俺に抱かれるのを期待してたとか呟いてただろう。あの時は望みどおりにしてやれないのが歯がゆかったが……ようやく叶えてやれる」
彰さんはそう言って助手席に身を乗り出すと、私の唇を甘くふさいだ。
「ん……」
私は思わず鼻にかかった声を漏らし、瞳をトロンとさせる。
しばらく長い口づけをした後、彰さんは一度唇を離し、私の惚けた表情を愛しそうな目で見つめた。
それから、こらえきれなくなったように何度も、角度を変えながらやわらかな唇を押し付ける。